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阪急電車 片道15分の奇跡

最大の見所は場所。場所の魅力だけで1本の映画を引っ張れることもあるんだ!

映画の面白さの要素って言うと、シナリオだったり、役者の芝居だったり、演出だったりって部分がクローズアップされるわけですが、『阪急電車』を見て「舞台になってるん場所が一番の見所となる映画もある」と気づきました。

原作は有川浩の同名のベストセラー小説で、兵庫県を走る私鉄「阪急今津線」を舞台に、普通の人たちの日常のドラマを描きます。で、僕はこの「阪急今津線」の沿線にかれこれ10年以上生んでいました。完全に地元の物語です。

知ってる場所しか出てこない映画って初めてです。この映画で出てくる場所の8割以上は具体的にどこかが分かります。特に劇中でも何故かクローズアップされていた「小林駅」は僕が長いこと最寄にしていた場所なので、「中谷美紀が小林駅にいる!それどころか、あのイズミヤに!」みたいな感動がありました。これほど、場所に対して思い入れを持って映画を見たのは初めてです。

そもそも、元の原作の時点で、地味な話の連続なので映画にしやすい話ではないと思います。それを映画化する勝算はたぶん「舞台」だったんじゃないでしょうか? 実際、原作でも描かれてる場所はハッキリ分かったんですけど、絵で見せてくれたことが嬉しいです。原作では出て来なかった「イズミヤ」や「関西学院大学」といった固有名が出てくるのも良かったです。

ただ、一方で舞台となった場所を知っているが故の違和感もあるんです。具体的に言うと、駅と駅の間の時間経過の問題。そもそもサブタイトルにもある通り、今津線は片道15分という短い路線です。小説だとそんなに気にならなかったんですけど、映画になると「逆瀬川と小林の間は1分ないくらいなのに」とかが気になってしまいました。

あと、原作を上手く料理してるとは思うんですけど、原作にある征史とユキのエピソードは削るべきではなかったと思います(独立したドラマにはなってますが)。宝塚駅を舞台にしたあのエピソードがあってこそ、今津線往復の物語として結実すると思うので、そこはホントに残念です。

見所チェック
・各駅のホームにある看板など背景に映り込んでるモノ。
・『ケイゾク』の柴田(中谷美紀)と『SPEC』の当麻(戸田恵梨香)のクロスオーバー?


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阪急電車 片道15分の奇跡(2011/日本)
監督:三宅喜重
原作:有川浩
脚本:岡田惠和
出演:中谷美紀、戸田恵梨香、南果歩、谷村美月
   有村架純、芦田愛菜、小柳友、勝地涼
   玉山鉄二、相武紗季、宮本信子 他
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at 10:22, Zhi-Ze(ジーズ), ハ行

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ゴジラ

 JUGEMテーマ:映画

「3.11」から1年。60年前の映画に「今」を見る。

2012年3月11日。今日で「東日本大震災」の発生からちょうど1年です。で、たまたま何ですが、1作目の『ゴジラ』を見ました。たぶん、ちゃんと見るのは初めての筈です。そして、そこに描かれていたドラマが、あまりにも「東北大震災」とそれ以降の原発絡みの混乱をオーバーラップさせる内容だったので、驚いています。

ストーリーについては改めて説明するまでもないとは思うので、簡単にだけ触れておくと、水爆実験により太古から眠りから目覚めた怪獣「ゴジラ」が、日本に上陸し、破壊と大混乱を巻き起こすという映画です。

特撮部分はもちろん、それぞれの立場でゴジラに翻弄される人々を描いたドラマ部分もよく出来ていて、一本の映画として傑作なのは間違いありません。

それに加えて、冒頭にも書きましたが、この映画を今、見てみると、「3.11」以降の日本を思い起こさせる部分が多々出て来ます。

例えば、ゴジラの存在が大戸島の人々には言い伝えとして残っていたという設定は、三陸津波の被害を現代に伝えていた石碑を思い起こさせます。

また、ゴジラは放射能を撒き散らしながら破壊の限りを尽くします。放射能汚染され井戸水を飲めなくなる描写、あるいは一番驚いた部分なのですが、60年近く前に作られたこの映画の中に「ガイガーカウンター」が登場しています。さらには、そんな混乱している状況の公表を躊躇し隠蔽しようとする政府与党……これはもう今の映画以外の何物でもありません。

ここに描かれている状況が今見ても、と言うか、今だからこそリアリティを感じるということは、この作品が単なる怪獣映画としてだけではなく、未曽有の大災害を描いた作品として優れた映画だったということです。

いろいろな意味で、今、この映画を見る意味はあるのではないでしょうか?


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ゴジラ(1954/日本)
監督:本多猪四郎
原作:香山滋
脚本:村田武雄、本多猪四郎
出演:志村喬、河内桃子、宝田明、平田昭彦、堺左千夫
   村上冬樹、山本廉、鈴木豊明、馬野都留子
   岡部正、小川虎之助、手塚勝己、中島春雄
   林幹、恩田清二郎、菅井きん、榊田敬二
   高堂國典、東静子、鴨田清、笈川武夫
   川合玉江、今泉廉、橘正晃、帯一郎、堤康久
   鈴川二郎、池谷三郎 他
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at 13:57, Zhi-Ze(ジーズ), カ行

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スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団

 
JUGEMテーマ:映画

ただただ、楽しい2時間!いんだよ 細けぇ事は!

楽しい映画はやっぱり良いですね。勿論、深遠なテーマに踏み込んだ重厚なドラマにも魅力はあります。だけど、僕は『スコットスコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』みたいに楽しいだけの映画も大好きなんです!

『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』はタイトル通りの物語です。主人公のスコット・ピルグリム(マイケル・セラ)が愛しのラモーナ(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)と付き合うために、ラモーナの元恋人たちと戦います。

突如として超絶なバトルを始めるスコットたちなど、正直、「何で?」「何で?そうなんの?」って展開の連続に、ファミコン世代直撃の音や映像の演出もあいまって、クラクラしてるうちに、この映画のグルーヴに飲み込まれて、気がつけばエンディングを迎えていたという感じです。

この映画の魅力はなんと言っても個性的な登場人物です。主人公のスコット、ヒロインのラモーナ。そして、元カレ軍団の面々、スコットの現恋人のナイヴズ(エレン・ウォン)、スコットが組んでいるバンド“SEX BOB-OMB”のメンバーたち、スコットのルームメイトでゲイのウォレス(キーラン・カルキン、ちなみにマコーレー・カルキンの弟)……僕は出てくるキャラが全員好きです。嫌いなキャラが一人もいない。

ぶっちゃけ、突っ込み所はいろいろあるんです。よくよく考えるまでもなく主人公のスコットは結構なレベルのナンパなクソ野郎なわけで、どうしたって感情移入できそうにない気がするのに、「何か頑張ってるし……」とついつい応援したくなってしまいます。演出とシナリオの勝利ですね。と言うか、この映画を好きになってしまったから、大抵のことには目を瞑れてしまうのかな。

この映画からいろいろなメッセージを汲み取ることも出来るかも知れないですが、「とにかく楽しい映画」という評価だけでも良いんじゃないかと思います。僕にとって最高に楽しい2時間でした!


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スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団(2010/アメリカ)
監督:エドガー・ライト
原作:ブライアン・リー・オマリー
脚本:マイケル・バコール、エドガー・ライト
出演:マイケル・セラ、メアリー・エリザベス・ウィンステッド
   キーラン・カルキン、クリス・エヴァンス
   アナ・ケンドリック、アリソン・ピル
   オーブリー・プラザ、ジョニー・シモンズ
   マーク・ウェバー、エレン・ウォン、サティヤ・バーバー
   ブランドン・ラウス、ブリー・ラーソン
   メイ・ホイットマン、斉藤慶太、斉藤祥太
   ジェイソン・シュワルツマン 他
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at 13:54, Zhi-Ze(ジーズ), サ行

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シムソンズ


JUGEMテーマ:映画
 
「ベタな展開」には「ベタな展開」なりの魅力が有る!

「ベタな展開」という言葉の裏には、「オーソドックスで捻りがない」といったネガティブな評価が見え隠れする昨今、『シムソンズ』を観て、「ああ、ベタな展開には、それなりの魅力があるもんなんだ」と改めて気付きました。

本作は98年の長野オリンピックに出場した実在のカーリング・チーム「シムソンズ」をモデルにした映画です。と書くと、実録物のようですが、実際にはかなりフィクションの比重が大きいようです。

物語はカーリングが盛んなこと以外に特筆すべきこともない北海道の町を舞台に、主人公・和子(加藤ローサ)らが、「シムソンズ」を結成し、紆余曲折を経て一つにまとまっていく姿を描きます。

題材にしているのが「カーリング」というマイナー競技であること以外、意外性はほとんどありません。前述のとおり「ベタな展開」で典型的なスポーツ物のフォーマットからはみ出すことなくドラマが展開していきます。

でも、僕にはこのドラマがメチャメチャ気持ち良かった!
オーソドックスなプロットというのは、やっぱりそこに至るまでの蓄積によって磨き上げられていることが良く分かります。キチンとやればそれだけで、ある程度の完成度に到達するんです。

まあ、ほぼ素人の寄せ集め集団がチームワークだけを拠り所に、ごく短期間でオリンピック出場を目指すまでに成長するのは、いくらマイナー競技とは言え、さすがに無理があるとは思いますが、そのマイナスを差し引いても、まだプラスでお釣が来ます。

カーリングについては、ほぼ何も知らななっかのですが、劇中で結構、分かりやすいルールや戦略の解説があり、ちょっとカーリングを見たくなりました。

そんなに期待してなかったのですが、これは拾い物でした。


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シムソンズ(2006/日本)
監督:佐藤祐市
脚本:大野敏哉
出演:加藤ローサ、藤井美菜、高橋真唯、星井七瀬
   大泉洋、田中圭、丸山智己、山本浩司
   徳井優、宇梶剛士、高田延彦、松重豊
   森下愛子、夏八木勲 他
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at 13:02, Zhi-Ze(ジーズ), サ行

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イップ・マン 序章

 
JUGEMテーマ:映画

久々に観た正調カンフー映画! ドニー・イェン、最高!

僕が子供の頃には、テレビでもジャキー・チェンの主演作を初めとするカンフー映画がたくさん放送されてて、それを楽しみに観てました。最近はそういう機会も減り、ちょっとカンフー映画が不足だったのですが、久々に正調のカンフー映画を観ました。『イップ・マン 序章』です。

武術が盛んな町・佛山で妻子と平和に暮らす詠春拳の達人・葉問(ドニー・イェン)。やがて日中戦争が勃発、そして、佛山も日本軍の占領下におかれ、家や財産も失った葉問は日本軍へ武術を教えるよう命令されるが、それを拒否したことで、日本軍に追われることとなる……というのがストーリーです。

とにかく、ドニー・イェンのカンフーアクションが素晴らしい。まあ、ドニー・イェンですから、当然といえば当然なんですが、それでもメチャメチャ格好良い。メイキングによるとドニー・イェンは詠春拳を未経験だったそうですが、猛練習して体得したとのこと。正直、そもそも詠春拳の形が分からないんで、そこは何とも言えないですが、とにかく葉問役に違和感はないです。

実はこの作品には続編があるんですが、日本公開は続編の方が先でした。この作品が公開されなかった理由は、おそらくストーリー全体に溢れる反日テイストでしょう。まあ、歴史ですから。それはそれで仕方ないと割り切って楽しみましょう。初期のカンフー映画では敵役が日本軍という作品も珍しくなかったわけで、そこも含めて正調のカンフー映画ということで。

それにラスボスとして登場する池内博之扮する日本軍将校は、悪役では有りますけど、矜持を持った悪役として描かれていて、それなりにカッコイイ悪役になってると思います。そこは日本への配慮かも知れません。池内博之もアクションはスタント使ってるでしょうが、頑張ってると思います。

アクションだけでなく、歴史的なドラマの部分も含めて、見応えのある作品だと思います。日本では先に劇場公開された続編の方も観たいと思います。ブルース・リーの少年時代も登場するらしいので、楽しみです!


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イップ・マン 序章(2008/香港)
監督:ウィルソン・イップ
脚本:エドモンド・ウォン
出演:ドニー・イェン、サイモン・ヤム
   池内博之、リン・ホン、ゴードン・ラム
   ルイス・ファン、シン・ユー、デニス・トー
   渋谷天馬 他
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at 13:00, Zhi-Ze(ジーズ), ア行

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チョコレート・ソルジャー

JUGEMテーマ:映画




現役最高アクション女優・ジャージャーを再確認するための2時間弱!



このブログでも以前紹介した『チョコレート・ファイター』という映画と、主演のジージャーという女優さんが、僕はとにかく大好きです。で、当然、この『チョコレート・ソルジャー』も楽しみにしてたんですが、正直な感想を先に言うと、ちょっと期待値を上げ過ぎたかも知れません。

ジージャー扮する主人公デューが、突如、拉致されそうになり、それをサニム(カズ・パトリック・タン)らに助けられるとことろから物語が始まります。サニムらは女性を誘拐するギャング「ジャガー団」を掃討する為に戦っていて、デューも彼らの仲間に加わり、ジャガー団と戦い始めます。

本作でジージャーたちは「メイライユット(泥酔拳)」という格闘技を使います。酒を飲んで強くなる酔拳です。アクション的にはダンスっぽい動きも入っているし、『チョコレート・ファイター』にはなかったツープラトンのコンビ攻撃もあり、アクションの見せ方に飽きさせない工夫が垣間見えます。

問題はデューがいきなり強くなってしまうところ。デューは泥酔拳を習うまでは、普通の女の子です。それがちょっと習ったくらいでいきなり強くなってしまう理由が弱いです。一応、「泥酔拳の神髄」についての言及はありますが、それだけでは足らないと思います。『チョコレート・ファイター』のゼンには「強さの理由」が明確にあって、それが劇中で見事に描かれていたのが魅力だったので、そこが一番残念。

例えばジャッキー・チェンの映画でジャッキーが強いということに、僕はそんなに理由は必要ないと思ってます。だって、ジャッキーだもの。要するに良くも悪くもジャッキー=強いというイメージは確立されているので、そこにそんなに説明はいらないんです。ジージャーはまだそこまで行ってない。だから、『チョコレート・ファイター』の時のような「強さの理由」が必要なんです。

他にもストーリー部分には難のある作品ではありますが、ジージャーが現役最高のアクション女優だということを再確認出来たので、見て良かったです。


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チョコレート・ソルジャー(2009/タイ)
監督:ラーチェン・リムタラクーン
脚本:ソムポップ・ウェーチャピパット
出演:ジージャー、カズ・パトリック・タン 他
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at 18:23, Zhi-Ze(ジーズ), タ行

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300 <スリー・ハンドレッド>

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脳筋男300人とクリーチャー集団100万人の大激突!

劇場公開当時、テレビで『300』の予告編を目にした時の僕の感想は、「なんだ?この暑苦しそうな映画は……」だったんですが、それから数年経って、ようやく『300』本編を見ました。

紀元前480年のギリシアを舞台に、100万の軍勢で侵略してきたペルシア軍を迎え撃つレオニダス王(ジェラルド・バトラー)率いる300人のスパルタ軍の活躍を描いた映画です。

この映画で描かれているのは、テルモピュライの戦いという史実です。ペルシア戦争の中で行われた有名な戦いの一つですが、マラトンの戦いやサラミスの海戦に比べると、教科書的には扱いが小さいですが、100万の軍勢を300人で迎え撃つという有り得ないシチュエーションなわけですが、これが当時の歴史書に記述された史実だというから驚きです。

ただ、この映画は歴史映画というより、フランク・ミラー原作のコミックを映画化した作品という捉え方の方が適切だと思います。劇中で多用されるストップモーションとスローモーションを組み合わせて緩急をつけた戦闘シーンの演出は、コミックのコマからコマへの展開を表現を思わせる効果的な演出です。陰影のハッキリした映像も良いですね。ほぼ全編をスタジオセットとCGの組み合わせで描いていて、非常に人工的な画面になっているのも、その意味では成功していると思います。

歴史映画として見てしまうと、『ロード・オブ・ザ・リング』にでも出てきそうなペルシア軍のデザインはちょっとキツイです。まあ、これはイラン政府がクレーム入れたのも仕方ないでしょうね。軍用のサイっていたんですかね?

話そのものは、正直、微妙です。せむしの男の扱いが結果的に敗因に結びつき、ペルシア王・クセルクセスと対面した際に殺してしまえば勝てたんじゃね?みたいな無策ぶり連発のレオニダスを含むスパルタ軍の脳筋ぶりにはちょっと乗りきれなかったです。そこに乗れれば、結構、楽しい映画だと思います。


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300<スリーハンドレッド>(2007/アメリカ)
監督:ザック・スナイダー
原作:フランク・ミラー、リン・ヴァーリー
脚本:ザック・スナイダー、マイケル・B・ゴードン
   カート・ジョンスタッド
出演:ジェラルド・バトラー、レナ・ヘディ
   デヴィッド・ウェンハム、ドミニク・ウェスト
   マイケル・ファスベンダー、ヴィンセント・リーガン
   トム・ウィズダム、アンドリュー・プレヴィン
   アンドリュー・ティアナン、ロドリゴ・サントロ
   マリー=ジュリー・リヴェス、スティーヴン・マクハティ
   タイロン・ベンスキン、ピーター・メンサー 他
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at 12:52, Zhi-Ze(ジーズ), サ行

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キック・アス

 
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何もない青年が、傷めつけられて、最後にヒーローに! 実はヒーロー物語の王道を行く傑作!


もともと、アメコミ系に限らずヒーロー物全般が好きなんですが、『キック・アス』はその中でも、かなり上位に入る傑作ではないかと思います。

ヒーローに憧れたオタク青年が、通販で買ったコスチュームを身にまとって、ヒーロー「キック・アス」になるというお話です。主人公のデイヴ(アーロン・ジョンソン)は超能力も財力なければ、訓練を積んで鍛えた肉体や技術もない(敢えて言えば痛みに鈍感くらいですか)、本当にただのオタク青年です。そんな彼ですから、ヒーローになってもろくな活躍は出来ません。街のチンピラに殴られたり、ジャンキーに殺されそうになったり……当然、そうなります。

しかし、そんな彼とは別に本物のヒーローも存在します。それがビッグ・ダディ(ニコラス・ケイジ)とヒット・ガール(クロエ・グレース・モレッツ)です。この二人のアクションシーンは最高にカッコいいです。キック・アスのダサさとの対比になっています。

で、この映画の特筆すべき点は、キック・アスのダサさも含めて、リアルにヒーローを描いている点でしょう。ヒーローのパロディではなく、「現実世界にヒーローがいるとしたら?」という物語です。キック・アスやヒット・ガールたちの戦いの描写は結構残酷です。撃たれれば血飛沫が上がり、斬られれば手足や首が飛びます。特にヒット・ガールのバトルシーンでのBGMが最高で、軽妙な音楽の中で殺戮が行われる。これが絶妙なセンスです。

リアルなヒーローと言いながら、キック・アスが成長を遂げ本物のヒーローになる展開は、「ヒーローをやることのリスク」の描き方としては、踏み込みが甘いという指摘もあるかも知れません。その指摘も間違ってはいないと思いますが、僕は娯楽映画としてのバランスは、この辺が絶妙ではないかと思います。

変化球に見せかけつつ、実は王道的なヒーロー物のプロットを踏んでいて、メチャメチャ面白い映画でした!


見所チェック
  • とにかくヒット・ガールのアクションシーンは必見。
  • いろいろ出てくるアメコミネタも面白い。


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キック・アス(2010/イギリス・アメリカ)
監督:マシュー・ヴォーン
原作:マーク・ミラー、ジョン・S・ロミタ・Jr
脚本:ジェーン・ゴールドマン、マシュー・ヴォーン
出演:アーロン・ジョンソン、クリストファー・ミンツ=プラッセ
   マーク・ストロング、クロエ・グレース・モレッツ
   ニコラス・ケイジ、ギャレット・M・ブラウン
   クラーク・デューク、エヴァン・ピーター
   デボラ・トゥイス、リンジー・フォンセカ
   ソフィー・ウー、エリザベス・マクガヴァン
   ステュー・ライリー、マイケル・リスポリ
   ランダル・バティンコフデクスター・フレッチャー
   ヤンシー・バトラー、オマリ・ハードウィック
   ザンダー・バークレイ、クレイグ・ファーガソン 他
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at 20:49, Zhi-Ze(ジーズ), カ行

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バトル・オブ・シリコンバレー

JUGEMテーマ:映画


スティーブ・ジョブズとビル・ゲイツの海賊さながらの激しいバトル!

アップルのスティーブ・ジョブズが亡くなって数ヶ月。未だに彼の自伝も売れ
続けているようですが、この映画は彼と、彼の最大のライバルであるマイクロソフトのビル・ゲイツのサクセスストーリーを追ったドキュメンタリータッチの劇映画です。

二人のサクセスストーリーはある程度は知っていたものの、こうして改めて追いかけると、かなりとんでもない逸話がズラリ。この作品の原題は『Pirates of Silicon Valley』ということで、全編を通してアイデアの奪い合いです。

まだ存在していないOS「DOS」をIBMに売りつけたゲイツ。ゼロックスが開発したものの上層部が興味を示さなかったGUIを頂いたジョブズ。そして、アップルと友好関係を結んで借り受けたMacintoshを元に新OS「Windows」を創りだすゲイツ……このあたりのエピソードが非常に劇的に描かれます。

劇中でのジョブズとゲイツのキャラクターの違いも面白いです。一言で言うと、ジョブズはアーティストで、ゲイツはオタクといったところ。ゲイツにOSを盗まれたジョブズが「うちの方が優れている」と言えば、ゲイツは「そんなことは問題じゃない」と返します。このやりとりは二人の個性を際立たせる、本作のハイライトでしょう。

もともとがテレビ映画なので、ジョブズが深夜のオフィスにやってくるくだりとか、ちょっと安っぽいかなという演出もあるにはありますが、トータルでは非常に面白い作品だと思います。

99年の作品なので、ジョブズがアップルに復帰し、iMacを発売した直後くらいの作品なので、低迷期を脱したAppleが再浮上し始めるというタイミングで作られています。出来れば、さらにこの先も見てみたいです。

映画『ソーシャル・ネットワーク』が面白かった人なら、おそらくこの作品も楽しめると思います。


見所チェック
  • ジョブズ役が『ER』のカーターことノア・ワイリー。
  • 「週に90時間働け!」ブラック企業なアップル。
  • 二人のダメ男っぷりも見所。



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バトル・オブ・シリコンバレー(1999/アメリカ)
監督:マーティン・バーク
原作:ポール・フレイバーガー、マイケル・スウェイン
脚本:マーティン・バーク
出演:ノア・ワイリー、アンソニー・マイケル・ホール
   ジョーイ・スロトニック、ジョン・ディマジオ
   ジョシュ・ホプキンス、ジェマ・ザンプローニャ
   ボディ・エルフマン、ジェフリー・ノードリング
   ゲラルド・マカロック、シーラ・ショウ
   マーカス・ジアマッティ、ウェイン・ペレ 他
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at 10:08, Zhi-Ze(ジーズ), ハ行

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ロミオ&ジュリエット

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レオ様主演の『ロミオ&ジュリエット』は意外に原作に忠実だったりする。

『ロミオとジュリエット』と言えば、言わずと知れたシェイクスピア作の戯曲。たぶん、およそのストーリーは誰でも知ってるんじゃないかと思います。対立する家に生まれた男女が恋に落ち、やがて悲劇的な結末を迎えるという、悲恋物の雛形の一つとも言える作品です。

本作は『ロミオとジュリエット』を現代を舞台に描いています。先ほど「およそのストーリーは誰でも知ってる」と書きましたが、細部に入ると意外と知らない人も多いのではないでしょうか?

例えば、ロミオとジュリエット以外にどんなキャラが出てくるとか、結構、知らなかったりします。かく言う僕も、去年、『ロミオとジュリエット』を読むまでは、全く知らなかったです。

で、本作は現代を舞台にしてはいますが、実はかなり原作に忠実な印象です。台詞についても、重要なものは原作を生かしている筈です。

舞台を現代にしていることに対して賛否あるみたいですが、そもそも原作自体がギリシア神話のエピソードを元ネタに、その当時の現代劇として作られた戯曲なので、上演する時代に舞台を置き換えることは、正しいと僕は思います。

また、正確に言えば舞台は「現代風の架空の都市」です。自動車はあるけど電話はない。このドラマを成立させる為に邪魔なものは出てきません。その意味でも、この映画は翻案ではなくやっぱり『ロミオとジュリエット』です。

僕にこの映画を薦めたのは妻なのですが、妻曰く、「最もカッコイイ、ディカプリオが見られる映画」とのこと。なるほど、確かにこの映画のディカプリオは文句なしにカッコイイ。この映画のロミオにも合っていると思います。

食わず嫌いも生みやすそうな映画だと思いますが、実際に見てみると、意外に熱い男のドラマでもあるので、


見所チェック!
  • 超イケメンなディカプリオ。
  • 原作どおり、イイ奴なのに報われないパリス。


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ロミオ&ジュリエット(1996/アメリカ)
監督:バズ・ラーマン
原作:ウィリアム・シェイクスピア
脚本:クレイグ・ピアース、バズ・ラーマン
出演:レオナルド・ディカプリオ、クレア・デインズ
   ジョン・レグイザモ、ポール・ラッド
   ハロルド・ペリノー、ダイアン・ヴェノーラ
   ポール・ソルヴィノ、ブライアン・デネヒー 
   クリスティナ・ピックルズ、ミリアム・マーゴリーズ
   ピート・ポスルスウェイト、ダッシュ・ミホク
   ジェイミー・ケネディ、エドウィナ・ムーア
   ザック・オース、ヴィンセント・ラレスカ
   ヴォンディ・カーティス=ホール
   ジェシー・ブラッドフォード
   M・エメット・ウォルシュ、ハリエット・ハリス 他
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at 16:53, Zhi-Ze(ジーズ), ラ行

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